70歳就業法(70歳までの就業機会確保が企業の努力義務)が施行され、定年がなくなり、70歳以上も就業する可能性が高まっています。
20年前と比べて退職金が1000万円以上減り、さらに年金2000万円問題も重なり、「60歳~65歳で定年退職し、老後は悠々自適に暮らす」ということが困難な時代へと突入しました。
そのため、定年退職や早期退職者を対象とした起業セミナーや講習が人気となっています。
しかし、こうした起業セミナーだけを受講し安易に起業したことで、起業後に財政難に陥る、私生活を逼迫することも珍しくありません。
この記事でわかること
起業セミナーは起業の成功まで約束してくれない
巷で開催される起業セミナーの多くは、会社の設立方法や事業計画書の作り方、融資・補助金の受け方など事務作業ばかりです。
現在では、会社設立をオンラインでできる会社設立freeeを使えば、5分で必要な書類を一括作成し、簡単に法人を設立できます。
また、事業計画書の作り方や融資・補助金の受け方などもインターネットを使えば、簡単に情報を得られます。
しかし、事業は需要と供給のバランスが取れており、新規顧客の獲得やサービスの認知など営業・マーケティングをしっかりと行わなければ、継続できません。
また、「何となく起業したい」、「退職金や年金が少ないから起業で生活費を賄いたい」「ラクして儲けたい」「小遣い稼ぎをしたい」などの理由では、ほとんどの場合、うまくいきません。
0→1起業はビジネスモデルの立案・制作・営業・マーケティング・経理などすべてを自分ひとりで行わなければならず、会社員と違って、給料も保証されていないため、結果が伴わなければ収入はゼロです。
このように起業セミナーでは、ごく一般的な手続きや起業に関わる一般常識を教えてもらうだけで「どうすれば事業を継続して利益を出せるか」については、残念ながら教えてくれません。
資格の取得やひとつの会社で培ったスキルが稼げない理由
資格とは、ある行為を行うために必要もしくはその行為をするに相応しい地位や立場を指します。
つまり、資格がなければできない仕事は存在しますが、「資格があれば稼げる」ということではありません。
資格の取得は、あくまで法律で定められた業務を行う権利であって、収入を保証するものではありません。
これは、ひとつの会社で培ったスキルも同様です。
ITやマーケティング、クリエイティブといった高度なスキルは社外でも通用しますが、マニュアル化・定型化された社内独自の業務遂行能力は役に立たないことが多いといえます。
なぜ、資格やひとつの会社でのスキルが稼げないのか?
諸説ありますが、日本企業特有のメンバーシップ型雇用が影響していると考えられます。
メンバーシップ型雇用に代表されるように転勤・異動、ジョブ・ローテーションを繰り返す雇用システムであり、自社の事業や業務をひと通り経験し、会社を支えていく長期的な育成方法を採用しています。
しかし、メンバーシップ型雇用では、自社内の業務遂行能力を高めるには効果的ですが、ジョブ型雇用のように社外で通用しやすい専門性の高い能力が習得しにくい傾向があります。
その代表的なスキルが経営能力です。日本の多くの管理職、特に部長以下の人材は事業部単位の組織運営には長けていますが、中長期的に会社全体を見渡し、企業を推進する経営的な視点が欠けていることが多いといえます。
部長職以下の人は経営能力の学び直しが必要
現在、20代・30代を中心にスタートアップ企業でCxO(xには役職が入る)を経験し、経営能力を持つ人材が、労働市場にも登場しています。
一方で、大企業、とりわけ大企業グループの子会社では部長から執行役員に昇格することは、資本主義の構造上、突出した成果を出さなければ相当難易度が高いといえます。
中には、旧態依然の部長職の延長線上に執行役員として昇格させる人事も見られますが、現在では経営能力を持つCxO(いわばプロ経営人材)を外部から招くことが珍しくなくなってきました。
こうした企業構造(一般社員を経営能力に長けた人材へと育成することが難しくなった)への改革が進む中で、従来のように「一般社員→主任→課長→部長→執行役員(経営幹部)」といった管理職の延長線上、経営幹部のポストがあるというキャリアパスは、今後、減少していくことが予想されます。
一方で、40代以上の人材の需要が労働市場で全くないというわけではありません。
実務で役立つ、即戦力の経営能力を持つ40代は、企業規模に関わらず、需要が高く、都心だけでなく、地方の優良中小企業を中心に引く手あまたとなっていきます。
また、40代以降の現役世代は、就職氷河期世代も含んでおり、組織マネジメントを担う人材が不足しています。そのため、40代以上の現役世代は業務遂行能力とは別に経営に対する知識・考え方などを学び直すことが求められています。
優良中小企業の後継者として経営者候補を目指す
日本企業の多くは「失敗を許さない文化」が未だに浸透しており、中長期的な視点で全社の利益を優先する、いわば「所属する事業部の利益にならないことも積極的に取り組む」という考えを持つ管理職が不足しているといわれています。
しかし、執行役員以上の経営幹部になるためには、こうした短期的な事業部の利害を優先するのではなく、企業の中長期的な戦略を重視・優先できなければなりません。
一方で、管理職を経営者候補として育てる余裕は、既に企業にはありません。そのため、ひとり一人が現状に危機意識を持ち、自助によって習得していく他ありませんが、残念ながら前述の「起業セミナー」では、実務とはおよそ関係のない内容を講義として提供していることがほとんどです。
しかし、大学教育機関でのMBA取得は高額な学費に加え、受講のために一度退職しなければならず、日々の生活費の確保が必須となるため、住宅ローンや子供を抱えている人にはとても高いハードルとなっています。
生活を守りながら、経営者としての実務を獲得。さらに…
ネクストプレナー大学では、前述の起業セミナーのような講義や一般的なMBAとは異なり、中小企業経営に特化した特別カリキュラムを開発しています。
No | 経営基礎研修テーマ |
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1 | プロ経営者としての心得 |
2 | 経営者とは① |
3 | 経営者とは② |
4 | 値決めと生きる世界 |
5 | 営業 |
6 | マーケティング・Web戦略① |
7 | マーケティング・Web戦略② |
8 | マーケティング・Web戦略①デジタル |
9 | マーケティング・Web戦略②デジタル |
10 | 人事・人材マネジメント① |
11 | 人事・人材マネジメント② |
12 | 5大疾病と5大指針 |
13 | 財務・会計・資金調達① |
14 | 財務・会計・資金調達② |
15 | 財務・会計・資金調達③ |
16 | 事業開発・ビジネスモデル① |
17 | 事業開発・ビジネスモデル② |
18 | ビジネスモデル解説 |
19 | 事業戦略・経営計画① |
20 | 事業戦略・経営計画② |
21 | 事業立地とビジネスの型 |
また、プロ経営者・経営者候補生(ネクストプレナー大学生)・ファンド・仲介会社が集うコミュニティを運用しており、企業経営の最前線にいる経営者やファンド、M&A仲介会社との交流が可能です。
事業承継支援を受けながら、カリキュラム受講中にも、事業譲渡企業(優良中小企業)や投資家とのマッチングを行うことができ、カリキュラム修了(卒業)後には経営者として優良中小企業(黒字企業)の経営者として参画することもできます。