もはや、企業経営はごく一部の選ばれた人だけの専門職ではありません。
今後は誰もが経営感覚を持ち、自分が受け持つ仕事を明確にし、複数の企業で必要な業務だけ担う柔軟性の高い外部プロ人材の需要が高まっています。
日本経済の不確実性が高まる中、企業は従業員を一生涯守り抜くことが難しくなっています。
これからは“自分の人生を経営する”という意識を持ち、労働者も自立していかなければなりません。
この記事でわかること
既に始まっている社員の個人事業主化
既に大手広告代理店や中堅メーカーが希望する社員を個人事業主へ転換するなど柔軟な働き方を推進する企業が増えています。
契約期間を設けつつ、会社員時代に支払っていた社会保険料を上乗せして給与を支払い、今の生活を守れるように配慮しており、所属している企業以外から業務を受託することも可能になるため、新たな働き方として関心が高まっています。
現在は一部の業界や業種にとどまっていますが、今後はサービス業をはじめ、経営やマーケティング、人事などのバックオフィス分野でも外部人材の活用が広がっていくとされています。
65歳が定年じゃない。将来的には75歳まで働く?
かつての定年年齢であった55歳が、その後に60歳に再設定され、平成の最後には65歳が定年となりました。
また、2021年に施行された70歳就業法(高年齢者雇用安定法改正)では、65歳までの定年の延長、もしくは定年制の廃止、さらに70歳までの就労確保(起業支援や業務委託の推進など)が企業の努力義務とすることが定められています。
しかし、今回の法改正は企業が労働者を70歳まで雇用することを約束するものではありません。また、大企業(グループ会社含む)ほど早期退職制度や役職定年制度を導入し、業績が好調にもかかわらず、人員の再配置を行っています(いわゆる黒字リストラ)。
それに伴い、65歳以上の複数就業者の雇用保険適用や長く働けば働くほど受給額が増えるように年金制度も改正されています。
今後、AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が進化し、DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進される中、サービス業を中心にヒトでしか担えない仕事や付加価値を与える専門性の高い業種に人員が再配置され、75歳まで就労を促す社会へと変化していきます。
企業経営のハードルも下がっている
デジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、起業や副業も参入しやすくなっており、会社員をしながら副収入を得られる環境が整ってきました。
それは企業経営も例外ではありません。現在、上場企業を含むあらゆる業界が外部のプロ人材登用を推進しています。
マーケティングやエンジニア、営業など現場スタッフだけではなく、経営に参画し、組織改革を行う経営者も同じです。
コンサルティングとは異なり、実際にその企業の最深部にまで入り込み、現場経験やコミュニケーションを通じて、経営に参画する事例が増えています。
外部CxO(xには役職が入る)として経営者候補を迎え、経営委託で業績向上や組織改革を期待している経営者も多く、今後のビジネスパーソンは経営能力を持つことが必須です。
また、中小企業もデジタル化に力を入れ始めており、若い人材(20~40代)を幹部職に登用する事例も増えています。一方で、熟練した技術やマネジメント能力、そして幅広い人脈を持つ50代以降の人材も若手人材の教育や技術承継が期待されています。
中小企業は、大企業と比べてバックオフィス機能が整っていないことがあります。不便さを感じる一方で、自分の裁量で根回しや予算を獲得するといった大企業ではできない経験が得られます(DXを推進し、業務効率化を実現することも可能)。
経営感覚を持って、業務に取り組まなければならないため、成果を出したい人材であれば、企業経営にも積極的に関わっていけます。
プロ人材は言葉だけ?経営能力を補い、長所を生かす
多くの社会人が感じている通り、会社から言われた仕事だけこなしている人材は、今後需要がなくなり、最悪の場合、職を失うことになります。
そのため、現場の社員ひとり一人が今まで習得した知識・経験に加え、経営能力を習得することが大切です。事業部単体の利害だけでなく、中長期的に企業全体の利益につながる行動を取れる人材が重宝されます。
また、経営感覚(財務の理解と財務戦略の知識・経験など)は普段の業務では習得しにくく、新たなに学んでいかなければなりません。
企業価値の考え方や組織コミュニケーションといった経営に必須な能力だけでなく、現代マーケティングや人事マネジメントなど、全世代の価値観を理解し、最新情報を得た上で業務に活かしていく工夫も求められます。
外部のプロ人材で活躍されている方は、専門的な知識・技術を持って活躍されている方が多いですが、基本的には専門分野(長所)に特化しており、経営感覚を持った上で経営層とのコミュニケーションができる方がほとんどです。
社員の個人事業主化や外部プロ人材の登用の広がりは、経営者が経営能力・経営感覚を持つ人材を欲していることに他なりません。
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