FIREに並ぶ、新たな老後資産形成の方法 “社長業”

FIREに並ぶ、新たな老後資産形成の方法 “社長業”

人生100年時代、老後2000万円問題、退職金・年金の減額など健康寿命の延伸とは裏腹に老後資金の確保が課題となっている中、S&P500などのインデックス投資や不動産投資、さらにはFIREのような”働くことへの価値観”を変えるものも登場しています。

そんな中で、新たな資産形成、キャリアプランとして注目を集めているのが”社長業”です。

近年、法人の設立や起業のハードルが下がっている一方で、第三者による事業承継(M&A)が注目されており、一般の会社員が数百万円で買収することも珍しくありません。

しかし、経営者として営業利益に全責任を持ち、今の生活を犠牲にしなければ成り立たないことも多く、「起業=リスクが高い」という風潮が主流です。

FIREにみる”働き方”に対する価値観の変化

近年、新たな資産形成として注目されているFIREをご存じでしょうか。

FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略で経済的に自立し、早期リタイヤを実現する概念です

FIREは、金融・不動産資産による不労収入を得て、生活のための労働から解放される新たな価値観として、20代~30代の若者を中心に関心を集めています。

不労収入といえば、資産1億円以上の富裕層を想像しがちですが、必要最低限の生活費用(月20万円)を賄いたい場合、資産1億円も必要ありません。

そのため、生活のための労働をやめ、老後も含めて、人生を充実させるための資産形成という新たな価値観が広まっています。

金融資産は、複利や時価によって価値が決まるため、資産の増え方も貯金と比較できないほど効率的です。また、S&P500をはじめ、世界的に安定した企業に投資するインデックス投資は初心者も始めやすく、リスクの少ない資産運用であることも、FIREという新たな価値観を生み出した理由といえます。

資産形成として魅力的な社長業

大企業や中堅企業の社長になるためには、厳しい出世競争を勝ち抜かなければならず、採用・入社時点から人材の選定をおこなっていました。

また、0→1起業のハードルが下がっているとはいえ、設立した会社の半分が数年以内に撤退を余儀なくされるなど事業を継続させていくことは至難の業といえます。

こうした現実を垣間見ると、”社長業”は高度な専門職であり、成功すれば社会的地位や経済面でのリターンが大きい分、現在の生活を失ってしまうほど大きなリスクを抱えているという認識が一般的です。

しかし、こうしたリスクを知っていたとしても起業や経営に参画する人が多い理由のひとつに、IPO株によるキャピタルゲインや金融資産(配当)の構築としてとても魅力的という点が挙げられます(もちろん、社会的存在意義を重視し、社会貢献を目指す経営者もいらっしゃいます)。

こうした経済的メリットがあることも”社長業”、経営者となる魅力は高いといえますが、前述したようなリスクもあり、守るべき家族や人生三大支出(教育資金・老後資金・住宅資金)を抱える人にとっては、社長業はとても高いハードルといえます。

しかし、令和の時代に突入し、さまざまな社会問題が顕在化する中で“社長業”にも変化が訪れています。

サーチファンド型M&Aは社長業のリスクをカバーできる

従来のように、厳しい出世競争を勝ち抜く、借入や担保による多額の自己資金を準備しなければ就くことができなかった社長業にも大きな変化が起きています。

それが、2025年の中小企業の大廃業時代の到来です。日本経済を支える中小企業(日本企業の98%を占める)の約半分が消滅する事態が訪れるとされており、その多くの原因が後継者不足による黒字倒産・黒字閉業です。

親族内承継の数も年々と減っており、不確実性の高い経営環境を考慮すれば、自分の代で終わらせたいと考える経営者も多く、日本の素晴らしい技術が失われようとしています。

そこで注目されているのが、大企業や中堅企業の就労経験がある30代以上の人材です。

特に40代以上の人材は就職氷河期を含む厳しい時代を生き抜いてきた人材であり、労働市場価値も上がっており、ハイクラス人材として需要が増しています。

しかし、前述のとおり、40代以上の優秀な人材の多くは、人生三大支出を抱えていることが多く、リスクが高い企業への転職や年収が下がるかもしれない異業種への転職を避ける傾向があります。

そうしたさまざまな課題を抱える40代以上の人材にとって、効果的な解決方法がサーチファンド型M&Aです。

サーチファンド型M&Aとは、譲渡企業と経営者候補、そして投資家の3社間による三者間M&Aです。

譲渡企業を承継するための資本金は投資家から募り、投資家が経営者候補に一部株式を提供することで、経営を受託する方式を採用しています。

サーチファンドの仕組み
サーチファンド型M&Aのイメージ

そのため、さまざまな事情により起業や転職といった挑戦ができない方でも、今の生活を守りながら、黒字経営の優良中小企業の経営者として参画でき、社長業で得られる経営委託料(給与)、役員報酬、配当、IPOにおけるキャピタルゲインを得られるチャンスに挑戦できます。

第三者による事業承継はFIREに並ぶキャリアへと進化する

2000年代では、企業間買収が圧倒的に多く、投資ファンドへのイメージも悪かったことから、M&A自体がネガティブな印象を持たれがちでした。

しかし、上場企業の年収ランキングでもM&A仲介会社が上位にランクインしており、M&Aへの理解が浸透していることがわかります。

また、経営者候補になるために、最初は類稀なる才能は必要としません。

ネクストプレナー大学では、中小企業に特化した経営能力は講義や実践を通じて得られます。また、一般的な大学院で取得できるMBAとは異なり、受講中に譲渡企業の経営者や投資家とのマッチングも可能であり、受講終了とともに優良中小企業の経営者として経営に参画することも可能です。

ネクストプレナー大学は、経営者候補と譲渡企業の経営者、そして投資者とのマッチング可能な日本初のプラットフォームです。

一部の限られた人でしか挑戦できなかった社長業が誰にでも挑戦できる新たなキャリアとして、今後、広まっていくと確信しています。