2025年には、団塊の世代が後期高齢者となり、国民の4人に1人が75歳以上となる少子高齢化社会が到来します。
また、2025年は医療・介護だけでなく、「デジタル競争の加速」「43万人のIT人材不足」「レガシーシステムの刷新」などの2025年の崖、そして中小企業の半分が消滅危機となる大廃業時代が到来します。
この記事でわかること
まじめに働き、真っ当な人材が求められる
来たる2025年の社会変革に備え、多くの企業が従来の雇用システムや人事評価を刷新していますが、未だに旧態依然の体制を維持する企業も少なくありません。
その結果、「真面目に働いている人が損をする」という風潮が社会に蔓延しています。しかし、テレワーク(在宅勤務)が急速に拡大する中で、今まで評価されていた人材と評価されていなかった人材への周囲の評価が逆転する現象が起きています。
日本の組織は人事評価が曖昧なうえ、直属の上司(管理職)の主観で人事評価が決まりやすい傾向があるため、成果が曖昧な人材でも社内で昇進・昇格することが珍しくありません。
しかし、今後は成果主義を前提とした評価制度が浸透していき、テレワークを中心とした柔軟で多様な働き方が増える中で、組織の中にいるだけで高給を取る人材(太鼓持ちやムードメーカーなど)は少なくなっていきます。
一方で、しっかりと実務をこなし、小さな成果でもきちんと積み上げ、自分や所属する部署の利害だけでなく、中長期的な視点で全社の利益を優先できる人材が求められます。
40代以降の人材は優秀な人材の宝庫
現在、早期退職や整理解雇の対象となりやすい40代以降の人材は、単純に対象年齢に差し掛かったため、対象となっているだけといえます。
現在の40代・50代は、1990年のバブル崩壊以降に社会人となった世代でもあり、1990年代半ば~2000代前半の日本経済受難の時代に社会人となった氷河期世代も含まれています。
1990年代半ばから多くの企業が成果主義を取り入れたため、プレイングマネージャーと呼ばれる管理職もこなせるプレイヤーが多い世代でもあります。そのため、不確実性の高い経営環境の中でも企業や事業を力強く推進していく人材として期待されています。
労働市場では、35歳転職限界説は既に神話となり、ミドルクラスの転職市場も活況となっています。マーケティングやエンジニアなど専門性の高いハイクラス人材の需要も高まっており、とりわけ、都心や大企業で活躍していた人材は中堅会社や地方の中小企業からの引き合いも強く、積極的に採用を進めようとする経営者も増えています。
痛みが分かる世代だからこそ強い
40代以降の人材は不遇の時代を耐え抜いた世代でもあるため、他の世代に比べても世の中の不条理やヒトの痛みを知り尽くしている世代でもあります。
また、彼らが社会人となった時代は、企業の多くが旧態依然の体制を継続しており、現実とのギャップの狭間で真面目に働けば働くほど損をしてきた世代でもあります。
その結果、他の世代と比べて「社会にとって、本当に必要なモノは何か?」「会社や自分はどうあるべきか」を常に考え、不公平かつ不公正な仕組みを変えたいと静かに野心も持っている世代です。
さらにバブル崩壊後の不景気による不遇を受けたため、他人に対する敬意や感謝も強く持っている世代であり、それが災いしてか体調を崩しキャリアを失ってしまう人も少なくありません。
しかし、今後はDX(デジタルトランスフォーメーション)による社会変革や本格的な少子高齢化社会に突入することで、今まで不遇を受けながらも感謝と痛みを忘れず、コツコツと真面目にやってきた人材が改めて評価されることとなります。
40代以降のビジネスパーソンが直面する現実
人手不足かつ成果主義の下で社会人経験を積んできたため、管理職としての適性や経営感覚を持たずに40代・50代を迎えてしまった(厳密にいえば、企業が管理職・経営者向けの人材育成を実施できなかった)ことも否定できません。
その結果、本来、習得するべきだった経営・管理能力が追い付かず、社内業務をこなすことに終始してしまった結果、社外で通用するスキルを得られなかったことも40代以降の人材の特徴です。
中でも40代は人生三大支出(教育資金・住宅資金・老後資金)を抱える世代であると同時に、前述した通り、社内の出世競争における結果が見え始める時期でもあります。
さらに早期退職者制度や整理解雇、人員の再配置の対象となる年齢に差し掛かっており、今の企業に残り続け、再雇用制度を利用して65歳まで働くか、起業・独立、または他の業界や他社へ転職するか、悩みが多い世代です。
とはいえ、起業や転職でも現在の給与が下回ることが珍しくないため、行動したくても行動できない人も多く、優秀な40代以降の人材を社会が活用しきれていない現状があります。
40代以降は経営能力の学び直しが必須
現在、2025年問題のひとつに、中小企業の消滅危機(大廃業時代)があります。中小企業の経営者が70歳以上と後期高齢者となり、黒字経営にも関わらず、後継者がいないため、廃業を決める創業者が増えています。
98%以上を占める中小企業の半分が消滅した場合、日本の約22兆円のGDPと650万人の雇用に大きな影響を与え、年間12兆円もの経済損失が生まれるとされています。
この目前にある危機を乗り越えるためにも、M&A仲介会社を中心に「事業を次世代につなげることが日本の未来を守るため」と黒字経営の優良中小企業の経営者を説得し、第三者による事業承継への理解が徐々に進んでいます。
一方で、企業内で熾烈な出世競争に身を投じている40代以降の現役世代は、経営者候補としての能力が高くないこともあり、経営能力の学び直しが必要です。
ネクストプレナー大学では、中小企業に特化した経営能力を中心に、本来、大企業や中堅企業への勤務を通じて習得できるはずだったスキルを、実践的に学び直します。
No | 経営基礎研修テーマ |
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1 | プロ経営者としての心得 |
2 | 経営者とは① |
3 | 経営者とは② |
4 | 値決めと生きる世界 |
5 | 営業 |
6 | マーケティング・Web戦略① |
7 | マーケティング・Web戦略② |
8 | マーケティング・Web戦略①デジタル |
9 | マーケティング・Web戦略②デジタル |
10 | 人事・人材マネジメント① |
11 | 人事・人材マネジメント② |
12 | 5大疾病と5大指針 |
13 | 財務・会計・資金調達① |
14 | 財務・会計・資金調達② |
15 | 財務・会計・資金調達③ |
16 | 事業開発・ビジネスモデル① |
17 | 事業開発・ビジネスモデル② |
18 | ビジネスモデル解説 |
19 | 事業戦略・経営計画① |
20 | 事業戦略・経営計画② |
21 | 事業立地とビジネスの型 |
また、一般的な大学院とは異なり、仕事を続けながら学べることはもちろん、プロ経営者・経営者候補生・ファンド・仲介会社のコミュニティを通じて、プロ経営者や出資者との接点を生み出します。
譲渡企業の創業者や出資者とのマッチングも行えるため、卒業と同時に黒字経営を達成している優良中小企業の経営者として活躍できる可能性があります。
70歳就業法(高年齢者雇用安定法の改正)が施行され、70歳までの就業機会の確保のために事業主が講ずるべき措置が企業の努力義務となっています。しかし、この法改正は労働者を70歳まで雇用することを義務づけるものではありません。