起業におすすめの助成金・補助金3選!メリットや注意点を解説

起業する際、最初のハードルが開業のための「資金調達」です。

資金調達方法には、融資による調達方法もありますが、助成金や補助金の活用が有効です。

助成金や補助金は、原則返済不要であるため、うまく活用することで起業時の資金を十分に確保できます。

本記事では、起業時に活用できる助成金や補助金について解説します。

本記事がおすすめな方
  • 起業をしたいと思っている
  • 起業時の助成金や補助金について知りたい
  • 起業時の資金調達に悩んでいる

助成金・補助金とは

助成金や補助金とは、一定条件を満たした場合、国や地方自治体が公的資金として交付する給付金のことです。助成金・補助金は、融資ではないため、原則返済不要であることが特徴です。起業時の資金調達が難しい時に、助成金・補助金を利用することは大変有効的です。

助成金とは

助成金とは、主に厚生労働省や、地方自治体から支給される支援金です。

助成金の交付は、主に雇用や労働環境の改善を目的としています。

助成金の金額は、補助金に比べると低く、数十万円のものが多いですが、助成金は、審査がなく基準や要件を満たせば受給できる可能性が高いことが特徴です。

ただし、助成金の種類によっては、要件が厳しいものもあるため、申請すれば必ず受給できるわけではありません。申請書類や添付書類に不備がないか確認することも大切です。

助成金は、補助金と同じく基本後払いです。助成金を利用する際は、事業計画とともに、資金繰り計画も入念におこなう必要があります。

補助金とは

補助金とは、主に経済産業省や地方自治体から支給される支援金です。

補助金の交付は、主に産業の育成や新たな事業の推進を目的としています。

補助金の金額は、助成金に比べると高く、数百万円のものから数億万円のものまでありますが、補助金は国の予算を組んで交付されるものが多く、受給基準および審査基準は厳しくなっています。

補助金の目的に沿った事業計画が的確になされているかどうかが重要となります。

補助金は、助成金と同じく基本後払いです。

補助金を利用する際は、事業計画とともに資金繰り計画も入念におこなうだけでなく、補助金を受給したあとの報告を必要とする時もあるため、しっかりと管理しなければなりません。

起業時に助成金・補助金を活用するメリット

起業時に助成金や補助金を活用するメリットは多数あります。

助成金や補助金の利用は、金銭的な面だけでなく会社を経営していくうえで重要となる事項に関してもメリットがあります。

助成金・補助金のメリット
  • 返済不要
  • 客観的なアドバイスが得られる
  • 会社の信用が得られる

返済不要

助成金や補助金の最大のメリットは、返済不要である点です。

助成金や補助金は、国税や地方税、雇用保険料等が原資となっているものが多く、受給要件を満たしている事業主は、受給権利があり、返済義務がありません。

助成金や補助金は、ともに後払いではあるものの、起業時に返済不要の資金を調達できることは、大きなメリットとなります。

客観的なアドバイスが得られる

助成金や補助金を申請する際は、事業計画書が必要となります。

事業計画書には、助成金・補助金の利用目的、事業で達成できることや、売上目標等、明確に記載する必要があります。

事業計画書を作成する過程で、事業に必要な資金等が明確となり、確認や審査を通して専門家から客観的なアドバイスや意見を得ることができます。

客観的なアドバイスは、それまで気づくことのできなかった点に気づくことができ、今後の事業発展に活かせます。

会社の信用が得られる

助成金や補助金の受給は、国や地方自治体から、事業計画(事業内容)が認められたことを意味します。

そのため会社の信用度があがり、融資を申し込む際等に有利となります。

起業時に助成金・補助金を活用する時の注意点

助成金や補助金制度は、メリットが豊富な制度ですが、利用する際はいくつか注意点もあるため、申請前にしっかり把握しておくことが大切です。

助成金・補助金の注意点
  • 受給要件や審査基準を満たす必要がある
  • 助成金・補助金は原則後払いとなる
  • 提出書類の準備に手間がかかる

受給要件や審査基準を満たす必要がある

助成金や補助金は、申請すれば必ず受給できる支援金ではありません。

各助成金や補助金の受給要件や審査基準を満たす必要があります。

助成金・補助金は原則後払いとなる

助成金や補助金は、原則後払いで支給されます。

申請が許可されてすぐに使用できる支援金ではないことに注意が必要です。

そのため、助成金・補助金が入金されるタイミングまで、企業経営がおこなえるように、必要最低限の自己資金は用意する必要があります。

提出書類の準備に手間がかかる

助成金や補助金に必要な申請書類(事業計画)や報告書の作成は、手間と時間がかかります。

申請すれば必ず受給できる制度ではないため、長時間かけて作成した事業計画も無駄となってしまう場合もあります。

なるべく負担のかからない程度に作成できることが理想的ですが、ある程度の時間をかけないと、内容の濃い事業計画書は作成できないため、なるべく効率のよく作成できるように工夫が必要です。

同時に複数の助成金・補助金を受給できない場合がある

税金を財源とする助成金や補助金は、厳格に規定が定められているため、同時に複数受給できない場合があります。

ただし、申請自体は複数同時におこなうことができるため、いくつか申請し、認可されたものから選択するという方法もあります。

起業時におすすめの助成金・補助金

国や地方自治体による助成金や補助金の種類は、多数あります。その中でも起業時におすすめの助成金や補助金をいくつか紹介します。

創業支援等事業者補助金

創業支援等事業者補助金は、創業(起業)する人を支援する補助金で、創業(起業)に必要となる費用および経費の一部を補助する制度です。

新たな雇用の創出と地域の活性化を促進することを目的としています。

創業支援等事業者補助金は、起業する会社の登記所在地の市区町村と連携している創業支援事業者である必要があり、特定創業支援事業および創業機運醸成事業が補助対象となります。

▼補助金額(※令和元年の場合)

項目金額
補助率 補助対象経費の3分の2
補助限度額 1,000万円(下限50万円)

【参考】経営サポート「創業・ベンチャー支援」│中小企業庁

事業継承・引き継補助金

事業継承・引き継補助金は、事業継承をきっかけに、新たな取り組み等をおこなう中小企業を支援する補助金です。

新たな取り組みに要する経費の一部を補助し、事業再編、事業統合を促進し、経済の活性化を図ることを目的としています。

事業継承・引き継補助金は、経営者交代型(Ⅰ型)とM&A型(Ⅱ型)の2種類があります。

項目 / 補助金(型)経営者交代型(Ⅰ型) M&A型(Ⅱ型)
補助率 補助対象経費の2分の1 補助対象経費の2分の1
補助限度額 250万円(下限100万円)
上乗せ額(廃業費)200万円
500万円(下限100万円)
上乗せ額(廃業費)200万円
令和3年補助金の内容となります

【参考】事業継承・引継ぎ補助金(令和3年度)

中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)

中途採用等支援助成金は、40歳以上の中高年齢者の起業を支援する助成金です。

事業運営のために必要となる従業員(中高年齢者等)を雇う際に要した費用の一部を助成し、起業によって自らの就業機会の創出を図ることを目的としています。

また、雇用創出措置にかかる助成金の支給を受けたあと、一定期間経過後に生産性が向上にている場合は、別途生産性向上にかかる助成金が支給されます。

▼雇用創出措置助成分

項目 / 対象者60歳以上の起業者40~59歳の起業者
補助率 3分の2 2分の1
助成額の上限 200万円 150万円
令和3年助成金の内容となります
生産性向上助成分

雇用創出措置成分により支給された助成額の1/4の額を別途支給

【参考】 中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース) │厚生労働省

まとめ

起業時の資金調達には、助成金や補助金を有効に活用しましょう。

助成金や補助金は、返済不要の支援金であるため、起業時の創業資金として活用するのに最適です。